幕間 その二

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 シールも俺様の意図を理解したのか、含み笑いを見せる。  俺がそれに鼻を鳴らして、ワインを飲もうとグラスに口をつけた時だ。  突然書斎の扉がノックされ、聞き慣れた男の声が聞こえてきた。 「お楽しみのところを申し訳ございません、レギス様。 例の娘を連れてきました」 「ああ、少し待て」 「はっ」    先程ノックした男が返事をすると、扉の向こう側で女との話し声が聞こえてきた。   「くれぐれもレギス様に失礼の無いように。 どのような要求をされても応えなさい。 機嫌を損ねなければ悪いようにはされないでしょう」 「どんな要求って…………。 は、はい……」  それに聞き耳を立てながら、ベストを脱ぎ、シャツのボタンを首もとから順に外す最中。   「女か? 誰だ?」 「街の有名な女だ。 なかなか綺麗所で楽しめそうだぜ? お前も摘まんでみろよ」 「なるほどな、そりゃあ良い」  シールの口元が醜く歪む。  折角街で最高の上玉と呼ばれた女を呼びつけたのだ。  久しぶりに楽しむかと、ニヤリと笑いながら。 「おい、入れろ」 「はっ! さあ入りなさい」  側近であるアーセルに命じると扉が開く。 「は、はい…………」  入ってきたのは貧乏臭い市民が着ている青色のワンピースを着た女だ。 「ほう…………」 「おお、そそるねぇ」  ウェーブのかかったブラウンカラーのロングヘア。  出るところは出ているスタイル。  一般人とは思えない出で立ちに、俺様とシールは下品な笑みを浮かべる。
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