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プロローグ
昔昔々の遥か昔
ある大陸のある大国に双子で大変仲の悪い王子と王女がいました。
王子と王女が年頃になったある日、王女に他国の王子と結婚話が持ち上がりました。
「なんで女だけ政略結婚の犠牲にならなきゃならないの!?」
王女はそう主張して自分の花婿は国内外から優秀な(容姿含む)者達を集めて決めると宣言しました。
優しく慈悲深いがどうにも気弱なところのある当時の国王は、なんのかんのと娘に押し切られ結局花婿候補の少年や青年達を何百人と集める事になりました。
「なんで妹だけそんな我儘通るんだ!?」
王子は大変不満に思い、自分も国内外から優秀な(勿論容姿も)者達を集めて花嫁を決めると言い張りました。
今回も結局国王は押し切られ、何百人のも少女や女性達が集められました。
下は十歳から上は二十歳前半までの相当な人数の花婿・花嫁候補達は厳選され、それぞれ百人ずつが王子王女に相応しい伴侶になるべく教育を施される事になりました。
「王陛下、これだけの人間に最高の教育を施しても、選ばれるのはそれぞれ一人ずつなんですよね?」
「うーむ、そうなるなあ」
「せっかくの育てた人材が勿体無いですねえ」
「そうだなあ」
お気に入りの召使の言葉に、国王は新しい騎士団を造る事にしました。
王子直属の女性ばかりの騎士団と、王女直属の男性ばかりの騎士団。
これがのちに大陸中に名を轟かせる、通称白の騎士団と黒の騎士団の始まりでした。
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