タイムスリップ

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――― 「そっちこそどうなの?歴史とやらの勉強は。」 「『とやら』って何だよ……まぁ楽しいよ、好きな分野だからな。」 蘭の表情が綻ぶ。それを見た蝶子も内心で微笑んだ。 蘭は蝶子も通う東都大学の歴史学部の一年生。ちなみに蝶子は工学部の同じく一年生である。 義務教育や高校の授業で歴史、主に日本史が廃止になって久しい今、蘭のように歴史に興味を持って学びたいという若者は年々減っている。しかしそんな中でもしぶとく残っている歴史学者はいて、蘭はそこのゼミに何とか入る事ができたのだ。 昨夜の寝不足も日本史のテキスト、もといマンガ本を読んで余りの面白さについつい寝るのが遅くなったという経緯だった。 .
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