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「机の中のものぶん投げたり、黒板にでっかく難読漢字いくつも書き殴ったりマジクレイジーだったな。」
笠野くんが可笑しそうに笑いながらビールをぐいっと呷ると須藤くんが続く。
「普段そんなことしないやつだから俺達も驚いたけど、女子達も驚いてて泣きそうな子もいたよ。それで『佐原マジやばい!』ってなって日下部のことはすっかり忘れたみたいだよ。それが佐原の作戦だったんでしょ?」
「そうなの!?」
驚いて颯太に聞いてみると『そんな昔のこと覚えてない。』とそっぽを向かれる。
「いいトシしたおっさんが照れんなって!大好きな陽南ちゃんを守りたかったくせに。」
笠野くんに肩を叩かれながら言われた颯太は『陽南を名前で呼ぶな!』と番犬のようにガルルと歯をむいている。そんな彼の口に須藤くんが『よーしよし。』と言いながら煮物に入っていた鶏ササミを押し込んだ。
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