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夜の颯太は笠野くんに煽られたからなのか驚くほど激しかった。部屋に入った途端スリッパも履いたままの状態で唇を奪われ布団に辿り着く頃には一糸まとわぬ姿にされていた。
それなのに朝起きてからもまた貪欲に求められてしまった。『陽南は俺のだから。』と苦しげに何度も繰り返していた。シャワーを浴びたら身体中に颯太に触れられた生々しい痕跡を見つけてしまい、確かうなじにも吸い付かれていたから髪はおろしていくことにした。
「よう、朝からお疲れだな。」
朝食の席で笠野くんにニヤニヤしながら言われ二人揃ってギクッとなるが颯太が負けじと反撃する。
「お前こそ疲れてるけど。おじさんが無理しない方がいいんじゃない?」
「そんなことねーよ。フルマラソン完走できるくらい元気だからな。」
「じゃあ走ってくれば。」
「佐原も来いよ。」
「行かない。」
「ほらやっぱ疲れてんじゃねぇか。やーい、じじい。」
「なんだと!?」
「俺なんかお前達が朝から絡んじゃってると思って、負けじと二回戦までやったぜ。」
「ちょっと!!」
小橋さんが真っ赤になりつつ笠野くんの顔面をパンチする。
「男子っていくつになっても男子だよね。」
高島さんがお茶を淹れてくれながらふふっと笑った。
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