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「俺達の方が先に結婚するから大丈夫だよ。明日するかも。」
「なっ!明日って!何張り合ってんの!?」
「一日でも早く俺だけのものにしたいから、結婚しよう。」
そう言って私のことをより強く抱き寄せた。
───これって公開ブロポーズ!?
「ヒュー!熱いね!見せつけてくれるね!」
「嫉妬で涙チョチョ切れるよ。」
笠野くんがはやし立て須藤くんが大袈裟に仰け反る。
「陽南、返事は?」
颯太はかなりの圧をかけてくる。
「は、はい・・・よろしくお願いします。」
口から淀みなくそんな言葉が出た。すると一瞬間があってから『うおお!』『キャーッ!』と歓声が上がる。恥ずかし過ぎてもうどうにでもしてくれ、と思う。今なら腹踊りでも出来そうだ。
笠野くんと須藤くんがはしゃぎながら颯太の肩や頭をバンバン叩くのを呆然と見守る。颯太も『やめろよ。』と言いつつ嬉しそうだ。
「おめでとう!」
「お幸せに!」
小橋さんと高島さんが笑顔で祝福してくれる。
颯太は茹でダコ状態の私を抱きしめて耳元で『部屋に戻りたい。』と色づいた声で言った。
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