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「予約を確認してて佐原くんの名前を見た時、一緒に来るの日下部さんだといいなぁと思ったの。だって佐原くん、中学の時日下部さんのこと好きだったでしょ?」
「な・・・知って・・・?」
颯太は激しく動揺していた。
「学校でも修学旅行中も日下部さんに熱い視線を送ってたもの。皆気づいてたんじゃないかな。」
颯太はわなわなとなったが、それは私も同じだった。かあっと熱くなった顔を上げて彼を見上げると今度は目が合う。そしてカウンターの下で颯太の方から私の手を握ってきたのでぎゅっと握り返した。
食事は個室会場に用意してくれるとのことだったので温泉を堪能した後浴衣姿で会場に向かう。部屋に入ると二人用にしては広過ぎる上、用意してある食事は6人分だった。
「相席ってことかな・・・?」
戸惑っていると後ろから『よっ!』と声をかけられた。
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