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振り向くと穏やかな表情の男性がいた。
「須藤!?」
颯太の言葉に驚きつつよく見てみるとその男性には須藤優人くんの面影があった。
「いや~驚いたよ。社員達と旅行に来たらさぁ、高島がいて更に皆も来るって言うから。」
颯太から須藤くんは会社を設立したと聞いていた。
「皆って?」
「おー、飯だ飯だ。」
私の言葉に被るように男性の声が聞こえてから声の主が部屋に入ってきた。オリーブグリーンの髪の男性の後ろには茶髪ロングのパーマヘアの女性もいる。
「もしかして笠野くん!?小橋さん!?」
「おー。」
「日下部さん久しぶり。佐原くんも。」
笠野蓮くんの後に続き小橋愛弓さんがあの頃の小さな声ではなく張りのある声で言って微笑んだ。
聞いてみると小橋さんはプロフルート奏者、笠野くんはプロカメラマンとして一緒に海外に渡るとのことで、その前に日本を旅行しておこうとしているとのことだった。
「俺達高校同じでさ、なんだかんたで付き合うことになったんだ。」
「その『なんだかんだ』が気になるんだけど!」
「日下部、今も派手なやつ履いてんの?」
笠野くんは私の質問には答えず私の下半身に目をやる。すると颯太の表情が一瞬て険しくなった。
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