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プロローグ
あの人が手に持った扇をずらして、隠していた顔があらわになる。
扇からのぞくのは、強い光をきらきらと宿した目。
その目はまっすぐ何かを見ていた。
体操服を着ているのに、私と同じ高校生には思えなくて。
どこかの王のように堂々と、いつかの王女のように優美に見えた。
ひらひら舞うその人に、いつしか私は惹かれていく。
その目に見つめられたくて、たまらなくなる。
そのくせ、その目に真正面から射られると全部を見透かされそうで、私はそっと目を逸らす。
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