理解ある夫

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優一は、いま一度夫人の胸元を見た。 それはもはや盗み見と呼べるようなものではなく、今どきの若者が好んで使う「ガン見」という言葉が相応しい、あからさまな視姦であった。 優一はいまや、自分がこの上なくいやらしい気持ちで後藤夫人を見ていることを本人に気付いて欲しいとさえ思い始めていた。 後藤夫人はベッドでどんな声を出すんだろう…。 いいなあ、後藤夫人。 ズルいぞ、後藤さん。 「うちの主人はAV女優と聞いただけで、はしたないだとか、汚らわしいだとか言って、彼女たちの人権をまるっきり無視したかのような態度を取るのですよ。私は主人のことを尊敬しておりますけども、この点についてはどうしても納得が出来ませんの。彼女たちのお仕事は、ご主人が仰ったように…えーっと、さっきなんと仰いましたっけ?」
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