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パン屋「たんぽぽ」
「お前達は私立がどうとかでなく、桜の仲の良かった先輩に反応して暗くなってるわけか?」
マスターは少しフリーズしてからケタケタと笑いながら酒を用意した。
「桜も15歳だぞ初恋くらいあるだろうよ。」
マスターは何か知ってるのか?そうなのか?
「桜はまだ子供だよ・・ダメだよ~。」
泣きそうな声で言うのは登だが忍は黙って飲んでる。
「マスターは何か聞いてる?」
俺は冷静を装って聞いてみる・・マジで冷静ではない!
どんな奴だよ男ならどうするよ!
「陸上部の子じゃないかな?」
マスターは新聞の記事を持ってきてこの子じゃないのか?と教えてくれた。
俺達はもちろん食い入るようにその記事をみた!
「ジュニアオリンピック?全国大会入賞?」
地域の男の子で3人兄弟の真ん中らしい。
「この辺ではかなり話題になったんだよ、でもな・・桜が懐いていたのはこの子の姉じゃないかな?」
俺達は姉が同じ高校で桜を妹のように可愛がってくれていた話をマスターから仕入れて少し安心したがまだ疑念はあるわけで。
「この子達の母親は咲と仲がよかったんだよ。お互いシングルだったのもあるけど今でも桜に声をかける人だし、駅前に「たんぽぽ」ってパン屋あるだろう?そこだよ。」
駅前に確かに「たんぽぽ」ってパン屋がありたまに桜が買ってきてる記憶がある。
「俺は思うけどさ、桜には桜の交友関係があるし、あの子は馬鹿じゃないから表面だけみて人を判断する子じゃないよ。信頼してあげる方がいい。」
解ってるんだよ。
「桜は隠すような子じゃないよ。パン屋にでも日参して親と交流する方がいいんじゃないか?」
お!マスターナイスアイディア。
俺達は朝のパンを「たんぽぽ」に買いに行く事にした。
目的はただ一つ!
桜の憧れの人が(憧れとは言ってないが)姉なのか彼なのか・・
それを知りたいんだ!
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