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そう言うベヌスの声には、若干困ったような響きが含まれているように思われた。
しばしためらったが、アウロラは被っていたフードに手をかけ、思い切って顔を上げる。
そしてそこに居並ぶ人々に驚き、目を奪われた。
そこでは、銀の髪に澄んだ水色の瞳を持つ良く似た二人の男がベヌスと語らっていた。
それだけではない。
ベヌス以外の人々は、それぞれが茶色や金色など様々な色の髪を持ち、また瞳の色も同様で、ベヌスの方がかえって異質に見えた程だ。
そんな時、ベヌスの隣にいた男……おそらくは光神エルト・ディーワだろう……が僅かに首をかしげる。
無礼を働いてしまった。
慌ててアウロラは、再び頭を垂れた。
「失礼いたしました。ではさっそく……」
けれど、ベヌスの顔には何故か微笑が浮かんでいる。
「そう急くな。それに、吾の言葉に偽りがなかったことが、これでわかっただろう? 」
そう、確かに以前、ベヌスは自らの瞳の色に思い悩むアウロラに告げた。
光の領域の住人は様々な色の瞳や髪を持っている、と。
「申し訳ございません……。疑うなど、滅相も……」
恐縮して身を固めるアウロラを前にしてに首をひねるディーワに、ベヌスは耳元でなにやら囁いている。
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