1476人が本棚に入れています
本棚に追加
凜が女子から嫌われないのは、ひとえに女子にも同じ態度だからだろう。しっかりと女子ともつるむ。それも色んな女子と。
つまり、こんな性格なのだ。この女は。友達なんて最小限でいいと思ってる私にとって、合わないことは明白だった。それと、何かイベントごとの時くらいしか爪のお手入れなどしない私には理解しがたい感覚だった。
だけど、男子はみんな凜みたいな女が好きに違いなかった。凜を嫌な女だと思うのは嫉妬心も多く占めている。の、かもしれない。
何となく凜からも好意的ではない視線を時々感じていた。それは私がそうだから、なのかもしれない。
凜はいつも私の邪魔をする。ひょっとしたら、わざと私の好きな人の気を引いているのかもしれないとすら思うようになった。それしかなくない?だって、おかしくない?
視線を感じ、バッと凜の方を見ると私を睨むような目をしていた。目が合うと何事もなかったかのように慌ててにっこり笑って見せたのだ。
間違いない。こいつ、わざとだ。こいつさえいなければ……。そうだ、こいつさえいなければいいのだ。私だってモテないわけじゃない。何人からか告白されたことだってある。……ちょっと優柔不断っぽい男の子だったけど。まあ、モテないわけじゃない。
そのためには、凜から一刻も早く離れなければならない。高校生だった私は、絶対に凜にバレないように進路を決めた。ついてこられたらたまったもんじゃない!
最初のコメントを投稿しよう!