第1話 腐れ縁…side凜

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第1話 腐れ縁…side凜

女の敵は女だ。 齢13歳にして、私は悟った。 後から振り返れば小学校までのいざこざは可愛いものだった。私はクラスで中心に位置する女子グループに所属していた。可愛い子が多かったし、その可愛い子たちが仲良く毎日、褒めあってた。ピュアだった私は、そういうの、楽しかった。 『凜、今日も可愛いー!』『ありがとう。○○だって可愛いよ』みたいな感じ。腕組んで、ベタベタして、何でも話して……。 そう、この何でも話すということは良くない。『誰にも言わないで』『秘密だよ』こんな言葉は全部嘘だ。女の友情は脆いのだ。友達だからこそ打ち明けた胸の内を、自分の彼氏には話していいと思っている。ひどい時は自分の好きな男との会話の糸口に使う。 つまり、私は酷い目に合った。うっかり好きな人をオープンにしてしまったばっかりに。あっという間に噂はまわり、ライバルは水面下で私を蹴落とした。『他の男子が好き』とか『気が多い』とかあることないこと言われ、知らないうちに失恋した。 後から聞いたら、私はその子と両思いだったらしい。 どうやら私は、モテる。それが気に入らない女子にしてやられたのだ。もちろんそんな子ばっかりじゃないし、ちゃんと友達もいた。だけど、好きな人だけは安易に打ち明けることを止めたのだ。 『うーん、私は女子と話してる方が楽しいから』と、女子に好かれる努力をした。実際、男さえ絡まなければ案外平和なもんだ。そう悟ったのだ。
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