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中さんがぶはっと大きく笑う。 「それ、どこかの民族のダンス?」 妙な動きをしてしまっていたことに気づき、私は恥ずかしくなって下を向く。 「すみません、中さんの笑顔を見たくて。」 中さんの笑い声が止まる。 「・・・そんなこと言われると、照れるな。」 「えー、悔しい。照れた顔も見たかったです。」 中さんがそっぽを向いたのが分かる。 「すみません、不快でしたか?」 「いや、照れてるだけ。」 「そうですか。」 私はホッとして駅前広場に向き直る。ふと、気づき、また中さんの方に顔を向ける。 「中さん、どうぞ行ってください。当たり前のように付き合わせてしまってました。すみません。」 「気にしないで。もともと、ここに座ってたんだ。」 「待ち合わせですか?」 「いや、なんていうか、座ってた。」 「そうですか。」 私はまた、駅前広場に向き直る。中さんがまた、笑う。 「座ってた理由、聞かないんだね。」 「聞いた方が良かったですか?」 「女性は、何でも聞きたがると思ってた。」 「モテ自慢ですね。」 「違うよ。」 「そうですよ。女性に色々詮索されるのはモテてる証拠です。」
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