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あの子
大好きなあの子に恋人ができたと、匂いで分かった。
わたしを抱きしめて、ぐちゃぐちゃに泣いてたあの子。
今じゃすっかり立派なワカモノだもね。
そう気づいたら、この胸が温かくなった。
「幸せ?」
「おかげさまで。」
そっか。
ちょっと寂しい気持ちがするのは、
もうこの胸をかしてあげられないんだなってわかるから。
もう、抱きしめて匂いを嗅げないんだなってわかるから。
でもね、寂しさなんかより嬉しさの方がずっとずっと大きい。
ホントだよ?
わかるでしょ。
世界は青空だもん。
きっと素敵なことであふれてる。
ずっと 大好きだよ。
いつでもいつまでも。
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