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「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」若林正恭
「この本読んでみて。面白いから」と知人は言った。
作者を尋ねると「若林正恭、オードリーの」という。
芸能人に疎い私でも、お笑いコンビの『オードリー』はわかる。
「へぇ、あの人、本を書くんだ」
「旅行記だけど、旅行そのものより、彼の思考や感じ方に共感できるよ」
知人はそう言って、私に文庫本を手渡した。
目次を見ると、『キューバ』『モンゴル』『アイスランド』の旅行記となっている。
正直なことを言えば、ちょうど行きたいと思っていた! 以外の旅行記はあまり読まない。
なので、キューバもモンゴルもアイスランドもあまり興味を持てなかった。
それでも本を開いた理由は、その知人が「マジでよかった」と熱く勧めていたに他ならない。
読んでみて、知人が勧める理由がわかったような気がする。
この作品の魅力は、旅行記よりも作者、若林正恭という人物そのものに共感するかしないか、なのだ。
共感できる人間にとっては、もしかしたらバイブル的な作品なのかもしれない。したがって、共感できない人間にとっては、ただの「旅行記」なのだと思う。
つづく。
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