17人が本棚に入れています
本棚に追加
さて。
鳥に食べられることまで、想定内で生きているトゲナナフシ。
この準備万端の生存戦略は、これだけではなかった。
彼らは、念には念を入れて子孫を残す仕組みを生み出している。
それが、単為生殖である。
つまり、トゲナナフシはメスだけで繁殖することができる。
オスと出会うことなく、繁殖活動をすることなく、ひたすら擬態して生きる。
そして卵を産み、その生をまっとうする。もしくは鳥に食べられ死を迎えても、子孫を残す。
驚くことに、日本においてトゲナナフシのオスは、まだ一匹しか見つかっていない。なぜ、圧倒的にオスがいないのかは、謎。
予想では、トゲナナフシにとって、オスはいなくても良い存在ということだ。
子孫を残すことだけを考え、合理的なシステムを生み出したトゲナナフシ。
やることが徹底している!
きっと人間には到底たどり着けない、生き物の『核』のようなものが、彼らの身体の中にあるのだろう。
こういう生き物がいるから、進化した生物、人間が誕生できたのではないか。
昆虫って、すごい。
つくづく尊敬してしまうのだ。
脱皮していた「ナナフシモドキ」
ナナフシとは、節のある枝のこと。
一般的に呼ばれているナナフシの和名は、ナナフシモドキ。枝のような昆虫というわけだ。
最初のコメントを投稿しよう!