彼女が選んだ道

12/12
前へ
/12ページ
次へ
* Hisashi『そんなことを言ったってさ』 Hisashi『オレは相木を恋愛対象としては見れない。友達としては好きだけど』 Ayaka『遊びででも付き合える人ならよかったんだけど』 Ayaka『貴方もまっすぐな人だから』 Ayaka『残念だよ』 Hisashi『残念がられてもね』 Hisashi『オレの思いは無視ってわけ?』 Ayaka『無視はしてない。ただ私は高梨を受け止められない。高梨は私のことをたぶんわかっていない』 Hisashi『え???』 Ayaka『高梨は私を理想化している』 Ayaka『誰よりオレをわかってくれる、とか、本当のオレを見せることができる、とか』 Hisahi『絢香よりオレをわかってくれる奴はいないよ?』 Ayaka『つきあいが長いだけだよ。私は、高梨のことわからない』 Hisashi『そんなこと言ったら相木だってオレのことわからない』 Ayaka『でも、ミサは高梨を知ろうとしてた』 Ayaka『顔がいいとかそんなんだけじゃなかった。だからミサを応援した』 Ayaka『私はね、恋愛をするなら自分をわかってくれようとする人がいい』 Ayaka『たぶん高梨の中に「理想のワタシ」がいるから』 Ayaka『私とつきあったら高梨は失望すると思う』 Ayaka『こんな奴だと思ってなかったって』 Ayaka『そしたら12年も続いた友情が終わるんだよ?』 Hisashi『そんなこと思わない。絶対に』 Ayaka『私と高梨は長く近くにいすぎたんだよ。高梨は盲目になってる』 Ayaka『盲目……違うかも』 Ayaka『見えなくなってるわけじゃないよね。ある一点方向しか見えてない』 Ayaka『ミサとずっと仲良くいたかった。でも私がいるとダメなんだ。ミサの心を乱しちゃう』 Hisashi『だから京都に行くのか? 相木から離れるために?』 Ayaka『これが一番いい道なんだと思った。ミサと友達でいられる道なんだよ』 Hisashi『絢香が何を言っても、オレは絢香の近くにいたい』 Hisashi『来年、京都の大学を目指そうかな』 Ayaka『何を言ってるの?』 Ayaka『ちゃんと受かってる大学あるんでしょ?』 Ayaka『私なんかのために浪人とかバカなの?』
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加