彼女が選んだ道

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「高梨? ああ、同じ小中なんだよ」  淡々と絢香は答えた。二重瞼が綺麗な子だなと美沙は思った。   同じ小学校と中学校、だから名前で呼ばれているのかと美沙は納得した。 「なに? あいつに何か言われたりした?」  絢香の言葉に美沙は首を横に振る。 「むしろ、これから仲良くなりたいって思ってる」 「高梨と?」  美沙は怪訝そうに眉間に皺を寄せた。 「うん」 「あんまりおススメはしないけど」 「井沢さんは、高梨くんを狙ったりしていない?」 「そうだね」  その言質を取ると同時に美沙は、机に置かれた絢香の右手を取り、自身の両手で包んだ。 「私、相木美沙」 「……自己紹介で名前聞いたけど」  絢香はたじろぎ、唇の端を引きつらせた。そんなことに気づきもしないぐらい舞い上がっていた美沙は心からの微笑みを浮かべ、絢香に告げた。 「井沢さん、私と友達になろう」
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