彼女が選んだ道

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 それは四月だった。相木美沙(あいぎみさ)は、高梨久志(たかなしひさし)に桜の匂いがする教室で出会った。彼が立つ場所に光が差し込んでいるように美沙には見えた。  彼に出会うためにこの学校に入ったのだと思えるほどに美沙は高梨に見とれていた。彼に近づくためには何から始めたらよいのか、何とか彼と仲良くなる方法はないのか、薄桃色の妄想ばかり膨らみはじめた。そんな高校生活の始まりだった。
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