幸せの価値観

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2年後 私達は今、徒歩で近所のパン屋さんへ向かっている。渡辺さんの押すベビーカーには、私達にそっくりな息子が乗っていて、その横を歩く、私のお腹はかなり大きくなっていた。子供達には国からの補助金が出ないけど、多分お金は大丈夫。違約金の話も、被害者が私だけだったので厳重注意で済ませてもらったし、彼のデータに顔写真を載せてもらった事により、臨時収入を頂ける事が今までに2回あった。イケメンで高身長、そこそこの学歴なので、ある程度需要があるみたい。 公園でクリームパンを頬張りながら、息子に離乳食を食べさせる彼。私がカフェオレのストローを彼の口に持っていくと、彼はニッコリ微笑んで、美味しそうに喉仏を動かしながらゴクゴクと飲んだ。可愛い息子と優しい彼。そして、お腹の子……。何でもない日常に癒されている私に彼が言う。 「こんな普通の幸せがずっと続けば良いね」 了
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