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ゾワッと背中から鳥肌が立った。
誰かが私の腰から下に接触している。
お上品に接触って言ってみたものの、要はチカンに現在進行系であっていた。
満員電車の中、ドアとチカン者に挟まれ身動き出来ず。
かといって、声を上げるのも躊躇われる。
洋服の上から尻を撫で回されるくらい、仕方ないと諦めるのが、一番面倒がなく、平穏に過ぎる方法だと思ってしまう。
少し前にチカンにあった。
勇気をふり絞り、チカンの手首を捕まえたまま、ホームに引き摺り下ろした瞬間、チカンはダッシュで逃亡。
仕方なく駅員に話をしたけど、犯人がいない為、膠着状態になった。
現行犯逮捕が出来なければ、チカンを捕まえるのが難しいらしい。
そして朝のラッシュ時にチカン騒動は、駅員にも私達にもリスクが高い。
結局、警察官が来て長々調書をとられ、仕事にはもちろん遅刻。
上司には暴言を吐かれ……、殴りたくなる衝動にかられた。
上司曰く、三十路過ぎた女はチカンの被害者にはならないらしい。
ましてや四十路目前の私は、触ってもらってありがとう。とすら思わなければならないらしい。
うん、マジでセクハラだし、上司を訴えてる事も考えた。
でも、今の仕事が好きだし、上司以外は良い人が多いし。
実際問題として、私が遅刻した事により、周りに迷惑をかけてしまったのは事実。
チカンは容認出来ないけど、諸々考えれば、黙っているのが最善策だと思った。
幸い次の駅はこちらのドアが開く。開いた瞬間逃げれば良い。
早く次の駅につかないかな。
窓の外に意識を向ける。
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