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「だから…。」
「声のボリューム!」
「怒らせているのは…どっち?」
生徒指導室の前を通りかかった時、声が聞こえ…俺はノックして中に入った。
「それで?痴話げんかの原因は何です?」
「あ?」
現代国語教師の彼が、怒っている時はすこぶる口が悪くて…聞いているこっちが呆れるほどだった。
「お前に関係ないだろ?」
「ユウヤン聞いてくれる?この先生、私が分からないところがあったから数学の先生に聞いていたの。それがイラつくって…。」
「どうせ若い奴が良いんだろ?」
「それと、この言い方がすごい腹立つの!」
「先生…外まで聞こえていましたし、先生が彼女の将来を邪魔したら駄目じゃないですか!…と、思うんですか?」
と、いつしか俺はなだめ役でもあった。
「おい?ああ…いた。また、噂立ちそうだからコイツ連れてくね。」
俺よりも彼よりも、颯爽とあらわれたカイが彼女の腕をつかみその場から連れ去っていった。
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