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「…どんな連れ込み方したんです?」
「連れ込みって…え?あ、俺また?」
彼は、その場に座り込んでいた。
「ちょっと!嶋谷先生!しっかりしてくださいよ。」
「わ、わかってる…俺がしっかりしなきゃ、彼女の未来を邪魔してしまうことぐらい。でも、どうしようもなく…愛してるんだ。」
「…ふう、正直なんですね。」
「え?ああ…バカがつくほどって言いたんだろ?」
「はい。」
そんな彼が俺は羨ましかった。
いつか、俺にもバカになるほど愛する人が現れるんだろうと思っていた。
けど、その前に俺は自分自身の日々の生活と、この二人の世話に忙しい毎日を送ることになる。
一年があっという間に感じたのは、この年が初めてだった。
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