第二章[あの日から…。]

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うすうす自分の中で彼女は、先生に好かれて付き合っている生徒。 という認識から、俺も?好きだなと自覚していた。 だが二人の仲に入る隙は全くなかった、それよりも俺は自由気ままな二人の世話を、勝手にやいているだけでよかった。 「もう…ユウヤン、聞いてくれる?」 「どうした?」 それから彼女は、きまって美術室に愚痴を言いに来るようになっていた。 俺に話を聞いてもらいたいと言いながらも、辺りをキョロキョロ見渡していた。 「安心しろ…俺以外誰もいないから。」 愚痴を言いながら、彼の事を大事に思っている彼女が愛おしかった。 「え?ああ…はい。」 「で?どうした?」 「ね?ユウヤンは…何年、生まれ?」 「は?嶋谷先生の愚痴を言いに来たんじゃないのか?」 「うーん、そのつもりだったけど。」 彼女は椅子を抱え、俺の目の前に座った。 「ね?今、何していたの?絵!描いてた?」 「…違うよ。ごめんな、」 「え?なんで?謝るの?」 「あ、いや…俺の絵のファンだって言っていたろ?違ったか?」 「そうだけど?」 「描いているとこ、見せてやれないから…。」 「先生の仕事忙しいの?」 「そういうわけじゃないけど…うん。」 なにが?うん。なのか? 答えはわかっていた…描けない理由、でも俺は口にするつもりはなかった。
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