第三章[壊された平穏]

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「嶋谷先生、ご無沙汰しています。」 「え?ああ…はい。」 「相変わらず口数少ないんですね。」 西村先生は彼に優しく微笑みながら、チラチラと俺を見ていた。 「ね?」 ああ、俺に話を膨らませ?合図? めんどくさいな…。 「後輩って…西村先生と大学?一緒だったんですか?」 「ああ、」 また、この人…ああ。だけ。 「高校も一緒だったんですよ、もちろん数年ですけど…嶋谷先生!覚えていますか?徳井先生、英語の…童顔の。」 「ああ…なんとなく。」 「この間、同窓会に行ったら…私の同級生と結婚していたんです!」 「ほんとか?」 食いつきすごすぎだな…。 「え?徳井先生だよな?」 「はい、そうです。」 「そうか。」 嬉しそうだな…そうか、そうだよな。 自分もいいんだ、そう聞かされた気分だろうしな。 西村先生は嬉しそうに根掘り葉掘り、そのことについて話していた。 彼女のクラスには西村先生が、行くことになっていた。
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