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「嶋谷先生お忙しんですね…。」
「俺らとは違うよ。いろいろあるだろうし…。」
「いろいろ?仲がいいんですね?」
「え?ただの隣の席だけだよ。」
いろいろ聞かれても答えるつもりはなかった。
彼を守る為ではなく、彼女の為だった。
西村先生は、諦めることはしなかった。
必ず彼の横を歩き、何かしらの声をかけ彼について回っていた。
いつしか…
二人が付き合っているという噂が流れ始めた。
「嶋谷先生と西村先生って付き合っているんでしょ?」
職員室に駆け込んできた生徒たちに囲まれた彼は否定もせず、肯定さえもせずその話について完全に無視だった。
西村先生は、困った顔を見せつつも嬉しそうに…聞いてきた生徒たちに声を大にして答えていた。
「こらこら…嶋谷先生が困っているから、言わないの。」
「…。」
聞こえているはずなのに、西村先生を見ることもなく彼は完全に無視だった。
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