第三章[壊された平穏]

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「え?あ、いえ…せ、先生。」 「あ!おう。」 彼女の先生という呼びかけに、彼は我に返ったようで俺の顔を凝視して周囲を確認していた。 「あ?あれ?」 それまで、そこにいたはずの西村先生の姿がなかった。 「谷崎先生、西村先生知りません?」 「あー俺は…そこ見ていたんで。」 と、二人を指さした。 「あ…そうか?まったく…話ってなんだったんだろう?」 「お邪魔してしまいました?」 「あ?いや…うん。いいんだ。」 「はい。」 どうでもいいが、二人とも職員室で見つめすぎだろ…。 そんな自由な二人を見ているだけで、安らぎさえ感じていた。 そう思っていたのは、どうやら俺だけだったようで…。 その日、俺が帰宅する前に戸締り確認で美術室の奥の画材倉庫に行った時。 「だれか~。」 かすれた声が、聞こえてきた。
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