第三章[壊された平穏]

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「は?こわっ。」 「ユウヤン?だよね?あ、えっと…谷崎先生!二年の櫻井です!」 「は?どこ?なにしてんだよ…もう何時だと思ってるんだよ。」 「ここです!」 扉を叩く音をたどると、奥に鉄製でできていたロッカーから聞こえた。 「あ!!ユウヤン…様!こっち。」 「あ、」 赤黒い色の紙に廃棄処分と書きなぐれてて、乱雑にロッカーの扉に貼りつけられていた。 「どうかしたの?開けられない?」 「いや、すぐ開けてやる…狭いだろうけど、ちょっと隅っこに寄れるか?」 「え?」 閉じ込められていたロッカーの隙間から、外が見えるようだった。 「なんか、怖いんですけど?開かないの?」 「あ?いや…。」 隙間から見える瞳に笑顔を見せてやった。 「あ、耳もふさいでろ。」 「え?はい。」 俺はすぐに、貼られていた紙もポケットにしまいこんだ。
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