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「は?こわっ。」
「ユウヤン?だよね?あ、えっと…谷崎先生!二年の櫻井です!」
「は?どこ?なにしてんだよ…もう何時だと思ってるんだよ。」
「ここです!」
扉を叩く音をたどると、奥に鉄製でできていたロッカーから聞こえた。
「あ!!ユウヤン…様!こっち。」
「あ、」
赤黒い色の紙に廃棄処分と書きなぐれてて、乱雑にロッカーの扉に貼りつけられていた。
「どうかしたの?開けられない?」
「いや、すぐ開けてやる…狭いだろうけど、ちょっと隅っこに寄れるか?」
「え?」
閉じ込められていたロッカーの隙間から、外が見えるようだった。
「なんか、怖いんですけど?開かないの?」
「あ?いや…。」
隙間から見える瞳に笑顔を見せてやった。
「あ、耳もふさいでろ。」
「え?はい。」
俺はすぐに、貼られていた紙もポケットにしまいこんだ。
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