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「秀幸さん!秀幸!」
彼女が思いっきり叫んでくれて、力が弱まって俺は何とか腕は解放された。
「あ?け、けがはなさそうだな?」
彼は彼女の様子を確認しながらも、俺から離れようとしてくれなかった。
「…よかった。お前は?」
「もう!谷崎先生が、助けてくれたの。」
「あ?」
「だから…ロッカーに閉じ込められていた私を出してくれたの!はい、谷崎先生から離れる!」
「あ?」
「あ??うん!?」
動かせる範囲で顔を上げて彼女を見ると、眉間にしわを寄せ彼をにらみつけていた。
「はい。」
彼はいつもの穏やかな表情を彼女に見せ、おもむろに二人は殴り倒した俺に手を差し出すこともなく抱き合っていた。
「はあ…。」
二人に聞こえるように声を大にして、ため息を吐いてやった。
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