21人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ、先生大丈夫?じゃ…ないよね?」
「悪い…。」
座り込んで二人を見上げる俺を物珍しそうに、二人は見ていた。
「フッ、平気です…それより、櫻井けがは?ない?」
「はい。」
「あ…その…。」
彼は急に彼女から離れると、俺の顔色をうかがい始めた。
「嶋谷先生、今更…俺の前で抱き合っていて?取り繕って、隠そうとか思っていませんよね?何度も痴話げんかの仲裁やら、噂のもみ消しに協力した俺を今、この瞬間…殴り倒しておきながら?ごまかさないですよね?うん!」
ゆっくり立ち上がろうとしている俺の腕をすぐさま、彼はつかみ立たせてくれるとズボンについたホコリをはたいてくれていた。
「すまなかった。」
「ユウヤンごめんね。」
「ユウヤン?」
「あ、そう呼ばれてるの、知りません?…興味ないか。」
「いや…知っているが、直央までずっと呼んでいるとは。」
二人顔を見合わせ、あ!と驚いていた。
最初のコメントを投稿しよう!