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「いっぺんに教えたら危ういし、少し休憩を挟もうか」
脚をおっぴろげ、性欲に負けただらしない顔と射精を終えたものの未だに勃起を晒している僕に先生が声を掛けた。
頭が真っ白な僕は、
「大丈夫?」
と先生に手を引かれ、よろよろと立ち上がり、再びバスローブで全裸を覆う。
腰の紐をキュッと強めに結びながら。
....生まれて初めて、オナニーを他人に見せてしまった....。
今更ながら、羞恥で顔が熱い。
先生は僕を連れ、リビングの傍のキッチンに立った。
「あ!先生、食事なら僕が」
「いいよ、初日だし」
玉子とほうれん草の挟まったホットサンドとコーヒーで遅ればせながらの昼食をとった。
「ああ、そうだ」
何やら先生は立ち上がった。
「まだ初日だからね、詐欺だと思われたら困るから一部、渡しておくよ」
恐る恐る、先生から渡された封筒の中身を覗く。
「とりあえず、10万。足りなくなったらいつでも言うといい。残りの20万も近々、渡すから安心して。君次第ではあるんだけど」
「....僕次第、ですか....?」
先生は改めてホットサンドを齧った。
「ああ。女性の裸体の絵画は有り触れているだろう。男性の裸体は珍しい。...もし脱ぎたくないなら今のうちに」
札束を手にしてしまった僕は我を失っていた。
「やります!やらせてください!」
先生がにっこり微笑んだ。
今思えば、先生はやり手だな、と思う。
先に金を渡してしまえば、やらない、なんて言えなくなるのがわかってたんだろうな。
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