45人が本棚に入れています
本棚に追加
「____降りるよ」ブリードが下降し始めた。
「待ってろサリー」カターシャは鋭い目つきで森を見た。
「みんな、僕の言ったことちゃんと守ってね!」アズールはもう一度皆に告げた。
____大きな岩の前で下ろされた一行。アズールと、ブリードは岩に向かって頭を下げている。
「もしかして、ここですか……」ノアールも頭を下げた。
ミカリス王も、ジンも、ノアールもカターシャも剣を抜き、頭を下げた。
____すると岩がゴロゴロと動き出したのだ。目線を上げることは許されないが、見なくてもわかる威圧感に一同驚いていた。
「お前たち、よく来たな……
ほう、ブリードが連れてきたのか……
アズールもおるのか……
今回の頼みは何だ……
サリーを助けて欲しいだと……
影に連れ去られたのか……
お前たちは厄介な事件に巻き込まれることが多いな……」
「なぜですか?」カターシャが下を向いたまま呟いた。
「ほう……お前がカターシャか……
氷のドラゴン、光の蜘蛛、火のドラゴン、色々な獣たちからお前の話は聞いておるぞ……
お前の問いに答えよう……
お前の代償だ……
サリーに出会った時から始まっている、サリーを受け入れるという代償だ……」
カターシャは鼻で笑った。
「ほう……面白いかカターシャよ」
「ああ、サリーが代償だと? 俺には勿体ないくらいだよ。一生掛けて守ってやる……だから、早くあいつを助け__」
「はっはっは。若いの……そろそろじゃ」
皆が頭にハテナを浮かべている。
「早く顔をあげこちらに寄るんだ……早くサリーを助けに行きたいんだろう?」
______何が起こったか分かるものはいなかった。
カターシャが一瞬にして大蛇を真っ二つに斬ったからだ。
「えっ……」アズールの頭が真っ白になった。
最初のコメントを投稿しよう!