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そんな中カターシャは____
「サリー! 本当にごめん」我を忘れたかのように、震える声でサリーを抱きしめた。
「私は大丈夫だよ。みんな来てくれたし……いてっ」カターシャの腕の中にすっぽり収まったサリーだったが、自身が恐怖で握りしめていた手の痛さにようやく気づいたようだ。
「ちょっと見せてみろ」カターシャはサリーの手を優しく掴み、手のひらを確認した。
これ以上血が出ないようにとサリーの手のひらに、自身の服の切れ端を掴ませた。
「カターシャ。ありがと」
「ああ」
「ゴホン。お二人、僕らの事忘れてない?」アズールとブリードが睨むようにしてサリーとカターシャを見てきた。
「忘れてなんかないよ、みんなありがとうねぇ」涙を浮かべるサリー。
「一時はどうなるかと思ったよ」と頭を掻きながら話すアズール。
みんなサリーが無事でホッとしているようだ。
____すると光の蜘蛛が話し始めた。
「そろそろ時空の歪みが消える頃でしょう。皆さん私が元の場所まで連れて行きます」
「光の蜘蛛……本当に、ありがとうございました」サリーは涙ながらにつぶやいた。
「感謝するならサリー、貴方のお仲間にですよ」光の蜘蛛は透き通るような声で囁いた。と同時にあたりが金色の光に包まれ、皆が空中に投げ出された。
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