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少しすると、食堂にリコリスがやってきた。
「よっ!」
「リコリスさん! ……あっ」
リコリスの後ろには、影の事件があった際お世話になったリコリスの母が立っていた。
「久しぶりね、リコリスに連れられてきちゃったわ〜」
「おい、母ちゃんやめてくれ。なんか誤解されそうだろその言い方」
「あはは、仲良しだね」少し自分の母と似ている、リコリスのお母さんの姿を見てサリーは安心しているようだ。
「俺らも手伝うから、夜ご飯食わせろよな〜」
「おいリコリス! 馴れ馴れしいぞ!」ボトが彼の背中をバシッと叩いた。
「サリーちゃん。困ったことがあったらいつでも言うのよ」サリーの手を握りそっとつぶやくリコリスの母に、サリーは温かい気持ちになった。
「ありがとうございます」
「母ちゃん! サリー泣かせるなよ! うちのカターシャが飛んでくるから」なぜが大爆笑しているリコリス。間髪おかずにどこかで聞いたことある声が後ろから聞こえた。
「おい、リコリス。お前がサリーを泣かせたのか?」
「あ、本当にきた」ポカンとしているサリーの視線の先には、カターシャが立っていた。
「あと少しでうちの騎士たち連れてきてもいいか? 帰ってきて武器の手入れと稽古をやったらみんなクタクタでさ」ははっと笑い、頭をかいているカターシャ。
「そうね。みんな急いで準備しよう! カターシャはリコリスと一緒に机を並べてちょうだい!」
「りょーかい」
「カターシャのやつ本当に来たからびっくりしたぜ〜」ニヤニヤ笑うボト。
「ねぇ? ボト仕事してよ!」その言葉を皮切りにサリーの怒号が食堂一杯に響き渡った。
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