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砂嵐がやってきてどのくらい時間が過ぎただろうか。どうやら私はアズールのお腹の下で眠っていたみたい。トラの重さは無く、私は太陽の光で目を覚ます。
「んーーーー身体中が痛い」
「ーーーー旅の者! いいかげん起き上がったらどうだ」
何か声が聞こえる。私が起き上がると目の前でアズールが何者かに威嚇をしていた。視線の先には、頭に変な帽子をかぶっている人が二人。よく見ると所々に金の紋章があるワンピースのような服を着ている。腰には剣を身につけており、なんとも風変わりな青年と、長身の男がいた。
二人とも鼻から下を布で覆っているから目元しか見えない。遠目からでも青年はブルーの綺麗な瞳をしていることは分かった。
(この人たちは一体…………砂漠にいるなんて、やっぱり盗賊かしら?)
「アズール、ありがとう」
優しく撫でるとアズールは私の近くに座った。
「お前、なぜこんなところで倒れている?」
ブルーの綺麗な瞳をしている青年に聞かれた。
「私は各地で料理をしながら旅をしている者です。新たな地を見つけるために進んでおりましたが、砂嵐に巻き込まれてしまいました…………」
「ーーーーほう。料理人か……」
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