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(??? side)
隣の町の視察を終えた我々は砂嵐が止んだ頃、隣町を出た。
帰り道の途中、砂漠で横たわるトラを見つけた。
「こんなところにトラか?? ジン、連れて帰るか??」
「カターシャ様、おやめください。これ以上城に動物を増やさないでください……喋るクマに、ウサギに、リスに……賑やかすぎるのですから」
「ああ、そうだったな」
トラの前で話をしていると、急にトラが起き上がった。どうやら我々を警戒しているようだ。
「グルルルル……」
「カターシャ様!! 女の人がいるようですよ」
ジンの言うとおり、トラの腹の下に女が……眠っているようだ。とても細い体をしている。
「ちゃんと飯は食えているのだろうか」
何故か湧き上がる、水知らずの女性に対しての心配事……俺は暑さで頭がおかしくなったんだろうなと思う。
ーーーーーー
起き上がった彼女はそれは綺麗な顔をしていた。
短い髪にピアスをつけており、態度はデカイが華奢で小柄な体つきだ。
何故か目が離せない。そんな印象の彼女を料理人として城に連れて帰ることにした。
「カターシャ様、少し嬉しそうですね。何かいいことでも??」
「いや。なんでもない」
この気持ち、ジンや彼女にバレるわけにはいかなかった。
(??? side fin)
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