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目の前には謎の男が二人。ふとアズールをみた。背中にくくっていた鍋は全部吹っ飛んでいったみたいで、スパイスの箱も無くなっている。
(仕方ない、また一からやり直すしかないね)
「お前、目的地への道はわかるのか?」
「わかりません……」
「では、私についてくるといい」
「ーーーー嫌です!!」
「は!! なぜだ」
「砂漠で会う人にはろくな人は居ないから、むやみについて行ってはいけないと母に教えてもらったんです。それにあなた達のその格好、なんか胡散臭いんですよね…………」
青年は驚き固まっている。青年の後ろにいる長身の男は、クスクスと笑っていた。
「ほーほー、そうか。では精々生き延びてくれ」
青年はそういい、ラクダにまたがり私たちの元を去る素振りを見せた。
「お二人ともお元気で。アズール、スパイス探そう、きっと近くにあるはずよ」
私とアズールは足元の砂を掘りながらスパイスが入っている箱を探した。
ラクダにまたがった青年はそんな私達を眺めながら、大きなため息をつきこちらの方へ近づいてきた。
「お前らちょっとそこの場所あけろ」
「はい??今忙しいので」
「いいからそこ避けろ」
そこまで言うのなら、と思った私たちは少し離れ、長身の男の近くまで移動した。
「あの何が起こるんですか??」
「あなたたちの探し物は見つかるはずです。見ててください」
長身の男は優しい声でそう言った。
(そう言えばこの人も綺麗な目元だわ)
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