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青年はしゃがみ込み、砂漠に手を当て、何かを呟いた。すると地面の砂がどんどん掘られていく。青年は砂に触れているだけなのに…………そして、砂の奥深くから箱らしきものが出てきた。
「女、探していたものはこれか??」
青年は箱についた砂を綺麗に落としながら私に渡してきた。
「スパイスだ!! 砂の下に埋まってしまっていたのね!! どうして分かったの………… ありがとう!!」
私は嬉しくて青年に抱きついた。
一瞬固まった青年。
「嬉しくて…………つい。失礼いたしました」
(あとは道具があれば料理ができるわね)
「ーーーーお前名前は??」
「サリーと申します」
「ーーーーサリーか。俺はカターシャ…………」
そのあと彼は何か言っていたが、アズールの大きな欠伸の音で聞こえなかった。
このまま砂漠にいても仕方ない。もうなるようにしかならないと、腹を括り私は彼らについていくことにした。
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