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火の上にフライパンを置き、お肉を焼き始めた。いい香りがする。
お肉の香りにつられてアズールも寄ってきた。
「アズールもう少し待ってね。」
「サリー様、ご挨拶するのが遅くなってしまいました、私ジンと申します。よろしくお願いしますね」
長身の男は自らをジンと名乗った。少し変わったフレームの眼鏡をしていた。
(金でできているのかな?キラキラしている)
「サリー様とアズールさんは仲がよろしいようですね。兄弟のように見えますよ」
「私の唯一の家族ですから…………ね。さっ!! お肉がいい感じに焼けましたよ!! みんなで食べましょう」
プレートに取り分け、皆に配った。
「さすが料理人、うまそうだな」
「サリーさん、頂きます」
そういって二人は重そうな帽子と、鼻から下を覆っていた布を取り外した。
(びっくり。二人ともイ……イケメンだ)
カターシャは綺麗なシルバーの髪に、ブルーの瞳がよく似合う。
ジンさんは長い赤い髪を後ろでまとめ、メガネの奥は黒い瞳をしていた。月の光が二人を綺麗に照らしている。
ふとカターシャと目があった。
するとニコッと笑って一言私に向かってこう呟く。
「これうまいな」
(爆弾級のスマイルが私に降ってきた。カターシャの笑顔は危険だ)
「サリー様、料理はどちらで勉強されたんですか?? 初めて食べるお味です」
ジンが前のめりになって聞いてきた。よっぽどお肉が美味しかったのだろう。
「私の母に教わったんです…………お肉の切り方から野菜の切り方、スパイスの調合方法まで全部」
「そうでしたか。とても美味しいですよ」
「ありがとうございます。まだありますから沢山食べてくださいね!!」
サリーとジンの会話をカターシャは静かに聞いていた。
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