第3話 黒鬼の来訪

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「衣食住に困ることはないけれど、そこは虚ろで薄汚れた日々。 『待ち焦がれた白鬼だけど、扱いにくいことこの上ない。 今日もお世話係が犠牲になった。でも俺は心配しなくていい。貴重な白鬼で、牛鬼なのだから』…と」 心配そうに見上げる子鬼たちに気がつき、白鬼は笑顔で子鬼たちの頭を撫でる。 「そんな俺を助けてくれたのが黒…いや、涅人だったんだ。 俺の不安定な気持ちに触れると下手したら死ぬ中、俺の元にやって来た。そして、俺の手に触れて、『僕達は双子。僕とひとつになることで力のコントロールもできるようになると思う。僕は彗お兄ちゃんのことを助けたい。 …どうする?』ってね。 この時に涅人とひとつになることで少しずつ力のコントロールを学び、そして本家も俺を幽閉から開放するようになった。 …いま思えばこの時なんだな。涅人が俺の本心を知ったのは」 「本心?」 紅騎は首を傾げるも、その他の子鬼たちは目線を逸らす。 その様子を見た白澪は苦笑を漏らし、話を続ける。
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