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第0話:初めての夜
陽がしっかりと沈み、満月が昇り始めた頃とあるビルの屋上に7つの人影があった。
「あー早く狩りてぇ。腹減ったわ」
「そんなだから、野蛮だって言われるのよ。
…黒さま。今日、もう1人の統領が来るって本当ですか?」
その声に黒い角を生やした5歳ほどに見える少年が転がるような声色で笑う。
「うん!僕の双子のお兄ちゃん。白だよ。いや、久しぶりだなぁ」
「…僕は、どうでもいいかな。すぐ忘れるし」
「白さまかぁ。私は早く会いたいかな!」
そんな話を膨らませていると、屋上に続く階段から音が響き、皆そちらに視線を向けた。
するとそこには彗の姿があった。
彗は黒と呼ばれた少年を見つけるとぎゅっと抱きしめた。
「むぅ…白兄ちゃん苦しいよぉ」
「黒!ほんと久しぶりだな!…こいつらがそうなのか?」
彗が振り替えると、7人は膝をつき頭を垂れた。
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