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「おまえ、
やっぱりいい奴だったんだな……。
泣かせるなよ……。
国を案内してやれなくて、
悪かった……。
アンジュはおいらの分まで長生きしろよ?
約束、な……」
ニコは私の腕の中で灰になって、はらはらと散り落ちた。
まだ温もりの残る灰にうずくまって、私は泣き伏した。
「みんな私を残して死んでしまう!」
「私に関わる人は、みんな死ぬ!」
「うああっ、ああっ、ああーーーっ」
私はまた独りぼっちになってしまった。
大国トゥーレを眼下に見下ろし、私は山の頂で冷たい風に身をすくめ、ひとり途方に暮れるのだった。
♯2「最果ての罪科・前編」おわり
次回は、♯3「最果ての罪科・後編(仮)」です。
公開日時は未定です。
気長に待っていただけたら幸いです。
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