7人が本棚に入れています
本棚に追加
ある日、灰殻となった村の中央でうずくまっていると、王国の兵士が取り巻いて、「お前がシルバー・アッシュか」と震えながらに問うた。
それが今の私の呼び名らしい。
「村を滅ぼす邪悪な奴め! おとなしく我が王の裁きを受けよ!」
下級兵士の何十人に取り巻かれ、武器を突きつけられたとしても、瞬時に灰にしてしまうことも可能だった。
けれども、姉さまたちの喪失感に明け暮れて、傷心しきっていた私は、抗うことなく捕まった。
最初のコメントを投稿しよう!