♯0「正邪の狭間で少女が見る夢」

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「その処刑、取り止めよ!」  身分の高そうな武官が処刑場へ乗り込んできた。 「今し方、我が国は敵国から奇襲をかけられ、極めて劣勢に立たされている。  至急ヒーラーの力が必要だ。  その者を我に預けよ!」 「お待ちください」  処刑人が武官の前にかしこまる。 「この者は幾多の村を瞬く間に滅ぼすような極悪人です。  容赦の余地はありません」 「瞬刻村を滅ぼせる力があるのなら、  瞬刻大勢の傷を癒やすこともできるだろう。  どうだ娘よ、オレに協力するならここから連れ出してやるぞ!」  武官の差し出した手を、私はすがるようにつかみ取った。
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