7人が本棚に入れています
本棚に追加
「その処刑、取り止めよ!」
身分の高そうな武官が処刑場へ乗り込んできた。
「今し方、我が国は敵国から奇襲をかけられ、極めて劣勢に立たされている。
至急ヒーラーの力が必要だ。
その者を我に預けよ!」
「お待ちください」
処刑人が武官の前にかしこまる。
「この者は幾多の村を瞬く間に滅ぼすような極悪人です。
容赦の余地はありません」
「瞬刻村を滅ぼせる力があるのなら、
瞬刻大勢の傷を癒やすこともできるだろう。
どうだ娘よ、オレに協力するならここから連れ出してやるぞ!」
武官の差し出した手を、私はすがるようにつかみ取った。
最初のコメントを投稿しよう!