♯0「正邪の狭間で少女が見る夢」

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 前方に砂嵐のような土煙が見えてきた。  多くの兵士が倒れ伏し、今にも壊滅しそうになっている。  味方の兵士の数が数千なのに対し、敵兵の数はざっと一万に思われた。 「間に合えよ!」  オールファンは馬を逸らせて、地鳴りのする交戦の中を突き抜けてゆく。  武器と武器とのぶつかる音や、兵士たちの叫喚が、私をオールファンの背中にしがみつかせた。
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