♯0「正邪の狭間で少女が見る夢」

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 私へのリンチが始まった。  彼らは私の髪を引っつかんで殴り倒すと、私の腹や背中を代わる代わる蹴り上げた。  周りの村人たちは私が暴行されているのをうすら笑って静観し、誰も助けに入る者はいなかった。 「お前もヒーラーの血を引いてるんだろ?」 「自分自身で治してみろよ」 「永久にボコってやるよ、ハハハハハ!」 「おらおら、死ね! 死ねぇ!」  意識が遠のいてゆくそのさなか、私は姉との幼い頃の約束を思い出していた。
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