3匹の雄ネコ

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『店長やオーナーからは長谷川さんて呼ばれてる!新宿でバーとか手広くやってるらしい!あとは知らない!』 【TEATRO(テアトロ)】の店員から聞き出せたのはそれだけだった 昨日は、時間がなくて新宿まで足を運べなかったが、新宿界隈に顔が利く知り合いに【長谷川】という名前と画像を送ったところ、すぐにフルネームが判明した 今日は、改めて聞き込みをするために新宿にやって来た フルネームがわかっていれば、より詳しく素性がわかるだろう 新宿の真昼は遅い だが、一般的な昼の間でも回れるところはたくさんある 昨日、名前を教えてくれた知り合いは、その場にいた客に聞いたと言っていたから、その筋ではなく、飲食店の経営者の筋から攻めることにした 「ちーす」 アットは区役所通りにある酒屋に顔を出した 「アッちゃん!久しぶり!」 アットが以前バイトしていた思い出横丁の焼き鳥屋に、酒を卸していた店だ 畑違いだが、他の卸の店を知らないから仕方がない 「こんにちは!おっちゃん元気?」 「歳で敵わねーや。あっちゃんはいま何してるの?」 「バンドバンド。あと、友達の何でも屋手伝ってるんだけど、おっちゃんに聞きたいのとがあって」 アットは長谷川の写真を見せた 「この人がやってる店に酒卸したりしてないかな?長谷川公博さんって言うらしいんだけど…」 「長谷川さんねえ…」 この時点でピンと来ないということは、知らないのだろう アットは質問を変えた 「じゃあさ、バー関係者が出入りしてそうな店知らないかな?どうやらバーの経営者らしいんだけど…」 「バー経営者ねえ…じゃあ得意先のバー紹介してやるよ」 主人は歌舞伎町にあるバーの名刺をくれた アットは主人に礼を言って、街に出た バイト時代を思い出して、歌舞伎町までぶらぶらと歩く 通いつめた楽器店、レコード屋、スタジオ、居酒屋、ゲーセン、ダーツバーなど、昔と変わっていないところもあれば、影も形も無くなってしまったところもある 街の風景と共に、それを見る自分も変わったのだと、改めて感じた 時間はちょうど、バー開店の6時になっていた 滋とリンです ↓↓↓ 087fe8a2-56cd-4e74-8881-699b3adbded2 リンは生まれ育ちがあんななんで、こんな感じです 滋は上品でいいですね はなざんまい 長谷川の経営する店をつきとめ、求人を探すと、プッシールームの店長を募集していることを突き止める 知り合いに頼んで紹介してもらう 対決して、マサトが長谷川をうらんで働いているとバレるが、仕返しを狙って5年働いている
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