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レイジとゼンジ
※胸クソ注意です※
苦手な方は飛ばしてください
小さい頃のサタゼンジは、美形で頭のいい兄の陰に隠れて、目立たない、引っ込み思案な男の子だった
だが、中2の時、ひとつ上の兄について話すと、皆が興味津々で聞いてくれることがわかった
ヒヤの話をすると、みんなが笑ったり、驚いたり、とにかく、ゼンジの一言一言を皆が待っていた
ある時、兄に彼女ができたという噂が流れ、皆がゼンジに真偽を問い詰めた
ゼンジはそんな話しは聞いたことがなかった
だが、自分が兄から教えてもらえていないと思われたくなくて、何の魔が差したか、「彼女はいるけど、兄貴が一番好きなのは俺だから」と答えてしまう
それから、佐田兄弟はデキている、という噂が流れ始めた
周りから「兄貴はどうか」と聞かれたゼンジは、ちっぽけなプライドのために、嘘を真実にすることを選ぶ
『ゼンジ…!やめろ…!』
抱いてみると、兄の身体は病み付きになるくらいよかった
ゼンジはレイジを毎晩のように抱くようになった
時には、ゼンジの友だちの相手をさせられることもあった
その頃から、少しずつレイジの心は崩れ始めていく
ゼンジに会わなくて済むように、昼間寝て、夜出かけるなるようになった
入ったばかりの高校はすぐに不登校になって、やがて放校になった
出歩いているうちに家に帰らなくなり、宿泊場所を提供してくれた知人のツテで、AVに出演するようになった
幸い、紹介されたところは真っ当なレーベルで、AVが売れれば売れるほど生活は豊かになった
AVに出始めて1年を経つ頃には、マンションを借りて、一人で生活できるようになっていた
しかし、いつからか『死にたい』『消えてなくなりたい』という思いがまとわりつき、何度もリストカットをするようになった
常に身体のどこかに痛みを感じていないと落ち着かないため、爪噛みや皮剥きをするようになった
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